筑紫野の納骨堂Ossuary in Chikushino

筑紫野の納骨堂Ossuary in Chikushino

福岡県筑紫野市のとある寺院の納骨堂。
市街地から外れ、辺りには田畑が広がり、疎らに民家が点在しているような穏やかな環境である。
寺院といっても近年建立された比較的新しいもので、現在の本堂も古民家を改修した、格式張らない親しみ易い存在として、この地域に定着している。

本計画はその隣地に新しい本堂と納骨堂を建てるもので、完成後現在の本堂は庫裏として使用される。
限られた敷地の中で求められるボリュームを解くと、2層の建築となることがまず導かれた。また住職より地域の人々が気軽に訪ねることが出来る開かれた本堂となるよう求められたことから、1階に本堂、2階に納骨堂と決定された。

敷地北東側の小高い丘には竹林が広がっており、この一帯を特徴づける大きな要素でもあったため、庫裏から納骨堂を介して竹林まで繋がるようにピロティを設けた。この空間は地域に解放された大きな縁側のような、人々が集い語らう憩いの場ともなる。

2階の納骨堂へと繋がる階段には「この世とあの世を架橋するもの」というイメージを重ねた。
光の降り注ぐ階段を上がるなかで、訪ねる人の心は徐々に切り替わり故人へと向かう。そして納骨堂の前に設けられたテラスで一度気持ちを鎮めてから、扉を開く。

納骨堂には360基の納骨壇が納められており、ヴォールト天井からルーバーを通して光が拡散され、空間全体に注がれる。天からの光によって、故人と向き合う一時が柔らかく穏やかに照らされる、そんな場面となることを思い描いた。

新たな本堂が地域の人々に親しまれつつ、故人の居場所としての納骨堂もその日常に寄り添い、共にあることが肯定されるような在り様を目指した。

建物概要

所在地
福岡県筑紫野市
主要用途
納骨堂
敷地面積
513.66 m²
建築面積
107.82 m²
延床面積
197.08 m²
構造
木造
規模
2階